サマリウム錯体による還元的電子移動過程を経る有機反応設計

閲覧数: 22
ダウンロード数: 0
このエントリーをはてなブックマークに追加

サマリウム錯体による還元的電子移動過程を経る有機反応設計

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
責任表示:
稲永 純二(九州大学・有機化学基礎研究センター・助教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1993
概要(最新報告):
サマリウム(III)トリフラートにグリニャール反応剤あるいはアルキルリチウム化合物を反応させると室温付近で速やかに色の変化が起こり、対応するサマリウム(II)トリフラート〔Sm(OTf)_2〕がTHFの黒紫色溶液として得られることを見出した。種々のアルキル化剤を検討した結果、ハロゲン化エチルマグネシウムが最も優れていることがわかった。同様にしてイッテルビウム(II)トリフラート〔Yb(OTf)_2〕を黄色溶液として合成した。本複合錯体電子移動系において2価のサマリウムがどにようにして生成するのかを調べる目的で、臭化オクチルマグネシウムとSm(OTf)_2を室温で一時間反応させた後、生成した黒紫色溶液を加水分解したところ、1-オクテンが18%、1-オクタンが46%、そしてヘキサデカンが17%得られた。このことは、アルキルサマリウム(III)トリフラート錯体からサマリウム(II)化学種が発生する際、beta-水素脱離およびアルキル-サマリウム結合のラジカル開裂を経る過程が含まれていることを示唆している。 Sm(OTf)_2はルイス酸性の強い一電子還元剤としてユニークな反応性が期待されるが、至適条件下で種々のアルデヒドやケトンのピナコールカップリング反応を検討したところ、その反応性はSml_2のそれよりも高いことがわかった。また、ベンゾフェノンの反応はSm(OTf)_2を用いて行うと2電子還元が起こりベンツヒドロールしか与えないが、Yb(OTf)_2を用いると対応するピナコールが好収率で得られることがわかった。 サマリウム金属をトリフルオロメタンスルホン酸と処理するとSm(OTf)_2を赤色粉末として得ることができる。今後、この錯体の単離・再結晶とその物性に関する研究を通して新しい反応設計を行っていく予定である。 続きを見る
本文を見る

類似資料: