レプトマイシンBによる潜在致死損傷の修復阻害機構

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レプトマイシンBによる潜在致死損傷の修復阻害機構

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
責任表示:
佐々木 弘(九州大学・医学部・助教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1992
概要(最新報告):
レプトマイシンB(Leptomycin B:LMB)は放線菌Streptomyces sp.ATS1287が産生する抗真菌性抗生物質で,化学的にはラクトン環を有する長鎖不飽和脂肪酸であり,これまで分裂酵母や哺乳動物細胞の増殖をG_1およびG_2期で阻止しG_0期に導入する作用があることが報告されていた。一般に放射線照射後細胞を増殖抑制状態に保つと潜在的致死損傷(PLD)が回復し生残率が上昇するが,X線を照射した細胞(ハムスターBHK)をLMB処理すると逆に致死が著しく促進されるのを見いだした。LMBの致死促進効果は細胞毒性が殆ど無い非常に低い濃度(0.05〜2ng/ml)でも認められ,致死促進の程度は線量に依存し,非同調細胞に6Gy照射した場合,生残率は約1/10(約0.05→0.005)に低下した。なお,生残率が最低値に達するに要する処理時間はLMB濃度に依存し,2ng/mlでは約30分,0.05ng/mlでは約8時間かかり,濃度が低いほど長時間を要する。また照射からLMB処理までの時間間隔が長くなるにつれ致死促進効果は小さくなる。6Gy照射2ng/mlLMB処理では約8時間以上たつとLMBの致死促進効果は無くなる。このことは,ほっておくと修復されるはずのPLDがLMB処理により修復不能になることを意味する。すなはち,LMBの致死促進効果はPLD修復阻害による。なお同様な効果が他の細胞(HeLa,HMV-1など)でも見られる。 LMBは不飽和脂肪酸であるので,そのPLD修復阻害は核マトリックス(核骨格)への作用が考えられたが,LMBの標的分子は染色体の構造維持に関与しているCrml蛋白(Chromosome Region Maintenance)であるとする新しい知見(Yoshida & Beppu:未発表)はその可能性を支持している。LMBのPLD修復阻害機構として,染色体高次構造の乱れによる修復不能化が考えられる。LMBの致死促進効果が照射前処理でも見られることもこの仮説と予盾しない。現在,LMBにより核マトリックスの変化が実際に生じているかどうかを検討している。 続きを見る
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