古墳時代親族構造の時期的変化と地域性の研究

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古墳時代親族構造の時期的変化と地域性の研究

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
責任表示:
田中 良之(九州大学・文学部・助教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1992
概要(最新報告):
古墳に葬られた人物の社会的性格に対するこれまでの学説を検討し、整理を行った。そして、これまでの研究が古墳出土の人骨の性別や構成に重点を置き、生前の世代構成を検討しておらず、また仮説の域を出ないことを確認した。そして、人骨の出土状態や副葬品との関係から生前の世代構成を復元し、人骨の遺伝的形質から親族構造の分析を行ってきた筆者らの方法の優位性を確認した。しかし、筆者らの方法では人骨を含めて保存状態の良好な古墳にしか適用できないため、造墓契機となった人物の性別を検討することで、これまで筆者らが得てきた古噴時代親族構造についての通時的展望との対比を試みた。具体的な方法としては、人骨出土古墳のうち単体埋葬の事例で性別が判定されている古墳、複数埋葬で最初に葬られた人物が明かとなっておりかつ性別が判定されている古墳を全国的に集成し、その地域差と時期的変化を検討した。なお、単体埋葬には、同一墳丘に1基の主体部で単体埋葬の場合と、複数の主体部でそれぞれ単体埋葬である事例があり、複数埋葬においても同様であることから、これらを分類して集成を行った。 集成は、今のところ西日本に片寄ってはいるが、5世紀中葉までの古墳時代前半期までは、単体埋葬も複数埋葬での初葬者も男性が約60%、女性が約40%というものであった。それに対して、5世紀後半以降では男性が80%をこえ、男性優位になることが示され、筆者らの親族構造の変化と対応することが明らかになった。この現象は地域的な変異は基本的になく、例数は異なるものの同様な変化をみせる。しかし、7世紀前後の横穴墓においてはそれ以前と異なり、埋葬される範囲が拡大している可能性も同時に示唆された。さらに、東日本では後半期においても他地域に比べて女性が多い傾向を示したが、これについては今後の検討課題として残された。 続きを見る
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