細胞周期におけるサイクリンの機能ドメインに関する共同研究

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細胞周期におけるサイクリンの機能ドメインに関する共同研究

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
タイトル(他言語):
Joint study on the function of domains of cyclins in the cell cycle
責任表示:
小林 英紀(九州大学・理学部・助手)
KOBAYASHI Hideki(九州大学・理学部・助手)
本文言語:
日本語
研究期間:
1992-1993
概要(最新報告):
細胞周期の過程はG1-S-G2-M期の各時期でcdc2キナーゼの活性により調節されている。本研究では、細胞周期におけるcdc2キナーゼの活性調節を担うサイクリンの機能をサイクリン蛋白質の機能ドメインを解析することにより明らかにすることを目的としている。本研究の研究期間は2年間(平成4年-5年)で、昨年(平成4年度)では、サイクリンAの各種のサイクリン変異体を作成してその機能を調べ、cdc2キナーゼ活性化に関わるサイクリンのドメイン構造の同定とその機能を解析した。本年度(平成5年度)は、(1)cdc2キナーゼ不活性化に関わるサイクリンのドメイン解析、(2)Xenopusサイクリンの酵母への導入とその発現、(3)サイクリン/cdc2蛋白質複合体の安定性、に関する研究を行なった。 (1)サイクリンの分解(Destruction)に関与するドメイン。 M期の終了にはcdc2キナーゼの不活性化が必要である。cdc2キナーゼの不活性化はサイクリンのM期特異的分解により引き起こされる。XenopusサイクリンA、およびサイクリンBにin vitro mutagenesisによって各種の置換変異、欠失変異を導入し、Xenopus卵抽出液をもちいてサイクリンのM期特異的分解に必要なアミノ酸配列を同定した。その結果、サイクリンAの41番目から50番目の保存アミノ酸配列RTVLGVIGDNが分解に必要なデストラクションボックスであることが明らかになった。更にサイクリンボックス変異の解析から、デストラクションボックスの存在に加えて、cdc2キナーゼ活性化に必要なサイクリンボックスも分解に必須なドメインであることが示され、サイクリンの分解にとってはcdc2とサイクリンの結合が必要なこと、即ち、cdc2/サイクリン複合体が、M期特異的にcdc2キナーゼにより活性化されるサイクリンプロテアーゼ(現在のところ未同定)の基質になることが本研究により始めて明らかにされた。この解析結果は、EMBOJ(1994)に発表された。更に現在、N末端側のデストラクションボックスと中央領域のサイクリンボックスの間に新たな必須モチーフを変異サイイクリンの解析から見つけだし、現在その領域の同定とサイクリン分解におけるその役割を解析している。 (2)XenopusサイクリンAの酵母への導入実験。 in vivoでのサイクリン機能を解析するため、XenopusサイクリンA及びin vitro解析で明らかになったサイクリンボックス変異体および分解ボックス変異体をそれぞれ出芽酵母の発現ベクターにつないでガラクトース誘導により酵母内で発現させた。XenopusサイクリンAの発現により酵母はG2-delayを起こした。分解をおこさないデストラクションボックス変異により酵母はG2/Mで完全にの成育を停止した。変異cdc2と結合できない変異体を過剰に発現させても成育阻止は見られないことから、XenopusサイクリンAが酵母CDC28と結合して細胞周期が止っていることが示唆される。現在、サイクリンAと相互作用する未知の遺伝子の同定するため、成育阻止を抑制する酵母のサプレッサーを分離を行なっている。 (3)サイクリン/cdc2蛋白質複合体の半減期。 cdc2キナーゼの本体であるサイクリン/cdc2複合体の生化学的性質を知るために、サイクリンとcdc2蛋白質複合体のサイクリン分子交換速度を測定した。サイクリンA/cdc2は半減期4時間、サイクリンB/cdc2は15時間で細胞周期を通じて安定であった。 本研究を進めるに当たり、平成5年度に小林が英国王立癌研究所を3回訪問し、上記に実験、とくに(1)と(3)を行なった。(2)項の実験に関しては、日本で小林と西本の協力により行なわれた。更に本研究に関する研究討議のため、Hunt博士を日本に招聘しセミナーを開催するとともに、細胞周期シンボジウムで本研究成果を発表した。 本共同研究によりサイクリン機能ドメインに関して重要な成果が得られ、且つ本研究成果を基にした細胞周期に於けるサイクリンの機能研究に今後の発展が大いに期待できることを報告する。 続きを見る
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類似資料:

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