ショウジョウバエ味覚トランスダクション機構の分子生物学的研究

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ショウジョウバエ味覚トランスダクション機構の分子生物学的研究

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
責任表示:
谷村 禎一(九州大学・教養部・助教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1992
概要(最新報告):
これまでに分離されている視覚受容突然変異体のなかでトランスダクション機構に異常があると明らかにされている系統について、行動レベルの味覚テスト、感覚子からの神経応答の記録により、味覚異常の有無を検討した。その結果、norpA(no-receptor-potential A)では味覚感度が低下していることが明らかになった。norpAでは、トレハロース、グルコース、ショ糖に対する味覚感度が野生型より有意に低下していたが、フラクトース感度は、norpAではほとんど低下していなかった。norpAでは、phospholipase Cの酵素活性が欠損しているために1P3の濃度変化がおこらないと考えられる。また、norpAで、フラクトースの感度の低下が顕著でないことは、糖受容体の種類に応じてセカンドメッセンジャーが異なる可能性を示している。さらに、norpAでは味覚と共に嗅覚の感度も低下していることが明らかになった。したがって、味覚、嗅覚の情報変換機構に1P3が関与していると考えられる。1P3の感覚受容機構における関与を明らかにするために、ショウジョウバエの1P3受容体遺伝子をクローニングし、その全塩基配列を決定し、発生過程における遺伝子の発現パターンと組織局在を明らかにした。ショウジョウバエの1P3受容体は、全体でマウスの受容体と57%の相同性がみられ、1P3結合領域やCaチャンネル領域のアミノ酸配列が良く保存されている。また、胚期、幼虫、蛹期、成虫の発生段階を通じて発現されており、特に成虫で強く発現されている。成虫での発現は、特に、antenna、legを含む画分で高く、頭部やそれ以外の組織で観察された。各部位から得た膜標品の1P3結合能は、mRNAの局在とほぼ一致した。これらの結果は、ショウジョウバエの筋収縮、嗅覚や視覚の情報変換における1P3/Caのシグナリングの重要性を示唆している。 続きを見る
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