痙性斜頸の定位脳手術に関する基礎研究

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痙性斜頸の定位脳手術に関する基礎研究

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
責任表示:
島 史雄(九州大学・医学部・助教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1991-1993
概要(最新報告):
痙性斜頸は、一般に大脳基底核の機能障害にもとづく不随意運動であると考えられるが、頸筋に対する大脳からの支配様式が不明なため、定位脳手術の手術部位は研究者によって異っている。本研究は、ネコを用いて大脳基底核の出力構造である脚内核(霊長類の淡蒼球内節に相当する)から頸筋の運動ニューロンに対する神経支配側とその様式を明らかにすることを目的とした。過去3年間の研究によって次の事柄が明らかになった。 1)頸筋の運動ニューロンを末梢神経刺激による逆行性応答を指標に同定し、脚内核に種々の条件で電気刺激を加えたが、同核の反復刺激によってのみ反応し、単一の矩形波刺激では反応がなかった。2)胸鎖乳突筋ニューロンの多くは、同側脚内核の刺激で斬増性に興奮し、刺激を中止しても暫時、刺激効果が持続した。また、反対側脚内核の刺激では多くは抑制反応がみられた。3)大脳皮質運動感覚野を両側に切除しても同様の刺激効果がみられたことから、頸筋の支配経路は視床-皮質路の関与は少なく、脚内-脳幹網様体路を経由することが示唆された。4)僧帽筋の運動ニューロンの多くは、反対側脚内核刺激で斬増性に興奮し、同側刺激では反応が得られなかった。5)組織学的検索では、胸鎖乳突筋運動ニューロンはC1レベルの脊髄前角背内側部、僧帽筋運動ニューロンはC2-3レベルの脊髄前角腹外側部にみられた。 以上の結果から、大脳基底核は胸鎖乳突筋に対して同側性に、僧帽筋に対しては対側性に促通性支配を行っており、その経路は脚内核-脳幹網様体を経て反響回路を形成し脊髄に至ることが想定される。このことは頸筋は無意識下に持続的収縮を示すこと、痙性斜頸は一般に視床手術では改善されにくいことなどの臨床知見とよく一致する。また、痙性斜頸は視床手術より淡蒼球手術がより効果があることが推定される。 以上の基礎的知見を踏まえて、胸鎖乳突筋の収縮が主体をなす水平性斜頸2例に対して淡蒼球内節の同側性凝固術を臨床応用したところ、症状は著明に改善された。本研究により新しい治療法が開発できたと思われる。 続きを見る
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