神経親和性ヒトレトロウイルスによる神経障害機構の分子遺伝学的及び細胞生物学的解析

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神経親和性ヒトレトロウイルスによる神経障害機構の分子遺伝学的及び細胞生物学的解析

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
責任表示:
吉良 潤一(九州大学・医学部・講師)
本文言語:
日本語
研究期間:
1991-1992
概要(最新報告):
本年度はHTLV-I-associated myelopaty(HAM)患者およびHTLV-I seropositiveな多発性硬化症(multiple sclerosis,MS)患者の凍結保存剖検脳脊髄より抽出したDNAを用いて解析を行った。 (1)上記DNAを用いて、HTLV-Iの全ゲノムの約1/3に相当するenvからpXにかけての領域を約1kbづつ3つの領域に分けpolymerase chain reaction(PCR)法により標的領域を増幅した。4例の6組織全てでPCR法により陽性反応が得られた。 (2)上記PCR法のうち、pX領域を標的としたPCR産物をサブクローニングし、約1.6kbの領域の塩基配列の決定を行った。pXの上流域(0.9kb)を29クローンで、pXの下流域(0.9kb)を60クローンで塩基配列を決定した。計45ヶ所に塩基配列の変異を認めた。pX領域のtax蛋白とrex蛋白のcoding領域の大部分を含む60クローンのうち14クローンでdefectiveな変異を認めた。 今回の検索により、HAM患者およびHTLV-I seropositiveなMS患者の剖検脳脊髄にHTLV-Iゲノムが存在することが確実となった。またヒト中枢神経組織に存在するHTLV-Iゲノムの塩基配列を初めて決定し得た。その結果、これらの患者の脳脊髄には調節蛋白をコードする最も重要なpX領域に多くの変異がみられることが初めて示された。これらの結果はヒトレトロウイルスであるHTLV-Iによる神経障害機構として、HTLV-Iの中枢神経組織への感染と異常な調節蛋白の産生による直接的な神経障害が重要であることを示唆している。 続きを見る
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