腫瘍由来増殖抑制因子の作用メカニズムと一次構造の解析

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腫瘍由来増殖抑制因子の作用メカニズムと一次構造の解析

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
責任表示:
中野 修治(九州大学・医学部・助手)
本文言語:
日本語
研究期間:
1991-1992
概要(最新報告):
我々はV79癌細胞の増殖がin vitroにおいて3種類の増殖制御因子により制御されていることを見いだし(Cancer Res.46:4431,1986)、一つは分子量2,000のオリゴペプチドで、正常・悪性を問わず細胞の増殖制御に係わるオリゴペプチド前駆体であることが示唆され(Cancer Res.48:3737,1988)、もう一つはチミヂンと同定され、チミヂンキナーゼ欠損株を用いた実験で、チミヂンは密度阻止の状態で細胞内より移行し高濃度となり、最終的にはV79の増殖を阻害することを示した(BBA 1094:263,1991)、残りの分子量約13kDの制御因子は、残念ながらまだ純化できていないが、腫瘍増殖抑制作用のあるTGF-β、TNF-α、IL-1αと生物学的性状及び物理学的性状も異なり、しかもヒト線維芽細胞には全く効果は無いが種々のヒト癌細胞に対して著明な抑制作用を示すため、腫瘍増殖抑制因子(TGIF)と命名した。このTGIFは、熱・酸・トリプシンに安定なシングルチェインのポリペプチドであり、その作用はPDGF、EGFにより阻害されない等を報告してきた(In Vitro Cell.Devel.Biol;1993,in press)以上よりこのTGIFは癌増殖に密接に関連した新しいタイプのサイトカインの可能性が強い。TGIFが培地中に分泌される密度阻止の時期には、腫瘍抑制遺伝子であるp53のmRNAの発現が異常に高まっている。正常のハムスター由来の線維芽細胞では密度阻止の状態では逆に低下している。このことは核蛋白であるp53と細胞からの遊離因子であるTGIFとの関連を考える上で非常に興味深い。考えられる仮説としては、TGIFは細胞の悪性化に伴って変化したp53産物に由来する増殖制御活性物質の一部の可能性と、あるいはTGIFは癌細胞特異的にp53の誘導を起こす制御物質の可能性等が考えられる。現在、このV79細胞のp53遺伝子が正常なp53遺伝子かどうかをPCR法で解析している。TGIFは今だ部分精製の段階であるが、今後p53蛋白とTGIFの関連を抗体等を使用して更に検討する。 続きを見る
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