糖鎖の導入によるタンパク質の安定化機構に関する研究

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糖鎖の導入によるタンパク質の安定化機構に関する研究

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
責任表示:
山崎 信行(九州大学・農学部・教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1991
概要(最新報告):
本研究は糖鎖の導入によりタンパク質の安定化をはかるとともに,安定化の機構について究明し,人工糖タンパク質造成のための分子論的基盤を確立しようとしたものである.まず,タンパク質へ糖鎖を導入するための新規なアミロ-ス誘導体を開発し,これを用いて調製したニワトリ・リゾチ-ムの糖鎖導入体(AGーリゾチ-ム)の酵素化学的ならびにタンパク化学的諸性質を調べた。その結果,リゾチ-ム分子当り2分子のアミロ-ス誘導体を結合することにより,溶菌活性は消失するがグリコ-ルキチン水解能は75%保持されることを明らかにした。また,糖鎖の導入により,ソゾチ-ムの熱安定性は著るしく増大し,AGーリゾチ-ムでは90℃,30分間の熱処理後も75%の高い残存活性を有することが判明した。一方,AGーリゾチ-ムのトリプシン消化物の解析結果から,糖鎖はリゾチ-ム分子の13位と33位のリゾン残基側鎖に結合していることを明らかにした。ついで,熱処理後の高次構造を円偏光二色性スペクトルにより解析し,糖鎖の導入は熱処理に伴うリゾチ-ムの主鎖構造の変化を抑制することを明らかにした。また,熱および塩酸グアニジンによる変性の二状態転移について螢光および紫外吸収差スペクトルにより解析し,その結果,AGーリゾチ-ムは未変性状態では未修飾リゾチ-ムよりむしろ不安定であるが,変性状態では逆に安定であることが示唆された。さらに,熱処理後の変性状態から未変性状態への巻き戻りはAGーリゾチ-ムの方が速いことも明らかとなった。また,糖鎖の導入により,リゾチ-ムはプロナ-ゼ消化を受け易くなることも判明した。これらの結果から、糖鎖の導入はリゾチ-ム分子の構造をゆるめるが,変性状態への移行を不完全なものとするとともに,変性後の巻き戻り速度を大きくするために,AGーリゾチ-ムで見られるように,熱処理後も高い酵素活性を有するものと結論した。 続きを見る
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