フォークト・小柳・原田病の病因に関する共同研究

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フォークト・小柳・原田病の病因に関する共同研究

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
タイトル(他言語):
Joint Research on Pathogenesis of Vogt-Koyanagi-Harada Disease
責任表示:
猪股 孟(九州大学・医学部・教授)
INOMATA Hajime(九州大学・医学部・教授)
猪俣 盂(九州大学・医学部・教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1991-1992
概要(最新報告):
本研究は、日本人をはじめとして有色人種には多発するが、白色人種にはあまりみられないという人種差の大きな疾患であるフォークト・小柳・原田病について、その病因および発症機序を日米共同で研究し、本症の予防および治療法の確立に寄与することを目的としたものである。 まず、アメリカ合衆国南カリフォルニア大学のRao教授が平成3年2月11日から同年3月20日までの38日間、九州大学眼科を訪問し、日本におけるフォークト・小柳・原田病患者の臨床像と病理組織像について共同研究を行った。日本人に多いもうひとつのぶどう膜炎であるベーチェット病についても、その患者の臨床症状と病理組織学的特徴について検討した。 次いで、猪股孟が平成3年8月12日から31日までの20日間と平成3年10月8日から20日までの13日間、南カリフォルニア大学を訪問し、フォークト・小柳・原田病患者、ベーチェット患者、さらにエイズ患者の臨床像を観察して、日本におけるぶどう膜炎の臨床像と比較検討した。また、同時に南カリフォルニア大学眼科に収集されているぶどう膜炎患者の摘出眼球やエイズで死亡した患者の剖検眼球を病理組織学的に検討した。 さらに、南カリフォルニア大学のRao教授が平成4年12月20日から平成5年1月2日までの13日間、九州大学眼科を訪問し、日本におけるフォークト・小柳・原田病患者の臨床像と病理組織像について共同研究を行った。同時に、フォークト・小柳・原田病の臨床および病理学的特徴について討論し、共同研究の結果をまとめた。この共同研究で下記の点を明らかにすることができた。 1.フォークト・小柳・原田病の臨床像はわが国の患者およびアメリカ合衆国の患者(主としてアメリカ合衆国に移住したメキシコ人や東洋人)で著しい差はみられなかった。 2.アメリカ合衆国ではエイズ患者に日和見感染としておこるサイトメガロウイルス網膜炎、トキソプラズマ網脈絡膜炎が多発していた。この種の網脈絡膜炎はわが国でも今後重要な問題となる疾患である。 3.フォークト.小柳・原田病発症後数年して悪性腫瘍のために死亡した患者の眼球を剖検時に摘出し、病理組織学的および免疫組織学的に検討した。臨床的には夕焼け状眼底を示し、ぶどう膜の炎症は治っているかに見えたが、病理組織学的にはぶどう膜にリンパ球の浸潤を伴った炎症が残存していた。ぶどう膜のメラノサイトは著しくその数が減少していた。このことは、フォーク・小柳・原田病では、ぶどう膜メラノサイトが炎症の標的になっていることを示すものであり、本症における夕焼け状眼底の発生機序を解明する上で非常に重要な知見である。 4.フォークト・小柳・原田病患者の皮膚白斑を生検して、免疫組織化学的に検討しぶどう膜おけるものとほぼ類似の炎症反応がおこっていることを証明した。 5.べーチェット病患者眼球の病理組織学的な特徴として、初期には網膜血管炎を伴った眼内の炎症がおこり、末期には毛様体扁平部からの新生血管形成を伴った増殖性変化がみられることを明らかにした。 6.実験動物としてラットを使用して、視細胞間結合蛋白Interphotoreceptor Binding Protein:IRBP)を構成するペプタイドの一部(R4)をぶどう膜炎誘発物質として用い、内因性ぶどう膜炎をおこすことができた。この実験ぶどう膜炎モデルを使ってぶどう膜炎でしばしば観察される角膜後面沈着物を免疫組織化学的に検討した。その結果、角膜内細胞面における細胞接着分子(Intercellular Andhesion Molecule-1:ICAM-1)の発見を証明することができた。 7.今回の共同研究の結果を成書"Ocular Infection Immunity"(分担執筆)にまとめた。本書は現在印刷中で1993年中に出版社"MosbyYear Book"から発刊の予定である。 続きを見る
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