細胞周期におけるRCC1蛋白の機能に関する共同研究

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細胞周期におけるRCC1蛋白の機能に関する共同研究

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
タイトル(他言語):
JOINT STUDY ON FUNCTION OF RCC1 PROTEIN IN CELL CYCLE.
責任表示:
西本 毅治(九州大学・大学院医学系研究科・教授)
NISHIMOTO Takeharu(九州大学・大学院医学系研究科・教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1991-1992
概要(最新報告):
RCC1タンパクをコードする遺伝子は西本等によってクーロン化された。一方、NewPort等はin vitoroで細胞周期を動かすカエル卵母細胞の抽出液を用いて細胞周期の進行制御機構の研究を進めている。RCC1タンパクが細胞周期の制御においてDNA合成の進行をチェックする役割をしていることがその温度感受性変異株tsBN2の解析から予想されていた。しかしそれをin vitroの状態で証明することはまだできていない。変異株の未成熟染色体凝縮の表現型よりRCC1タンパクがDNA複製の完了の認識に関与していることは充分に予想されたことであるが、DNA複製の開始に関与しているか否かはこれまでにまだ決着がついていない問題である。この点に焦点をあわせてこの共同研究を開始した。その方法として、次のことを計画した。(1)カエル卵母細胞の抽出液よりRCC1タンパクを除去することのDNA複製への効果を調べる。(2)RCC1タンパクについては、色々な変異体を作成し、その機能(低分子GタンパクRanに対するグアニンヌクレオイド交換:GEP機能)との相関を明らかにする。(3)先の二つの研究成果を統合して、RCC1タンパクのGEP機能とDNA複製開始におけるこのタンパクの役割を明らかにする。 この研究の基礎となるDNA複製開始がRCC1タンパクの存在に依存するか否かをまず明らかにした。カエル卵母細胞の抽出液よりこのタンパクを除去するには坑体を用いた。その結果、RCC1タンパクがない状態では、つまり坑体を用いてXenopus卵母細胞抽出液よりRCC1タンパクを除くと、二重鎖DNA分子の複製が開始できないことが明らかになった。同じ条件下で一本鎖DNA分子の複製は正常に進行した。この結果はtsBN2細胞の持つ一つの性質であるG1期開始不能と一致し、G1期停止の原因としてRCC1タンパクが直接に染色体DNA分子の複製開始に関連している可能性が示唆された。この成果は下記のタイトルでMolecurar Cellular Biologyに受理された。"RCC1、a Regulator of Mitois、is essential for DNA Replication." 次に、荷電したアミノ酸をアラニンに交換するアラニンスキャンの方法でRCC1タンパクに変異を導入し変異体を作成した。それぞれのGEP機能については変異体を大腸菌で多量に作成し精製したのち、ドイツのPonstingl博士のグループより供給されたRanタンパクを用いて測定した。また、変異RCC1タンパクがtsBN2変異を相補する活性についても調べたが、これまでのところでは、良い相関、つまり、GEP機能がない変異体は相補能を持たないことが示唆されている。 上記の二つの結果を基に、RCC1タンパクのDNA複製開始能とそのGEP機能との相関を調べた。この実験を行なった背景には次の報告がある。その一つは、我々の先の結果であるが、RCC1タンパクを除去したXenopus卵抽出液の中では正常なサイズの核が形成されない。第二に、RCC1の出芽酵母の変異体では核の構造が変わり、同時にRNAの合成、成熟と言う代謝が全部異常になる。これらの結果はRCC1タンパクが核の構造体として機能していることを示唆するものである。RCC1タンパクが構造体として機能しているか、このタンパクの持つGEP活性に依存してDNA複製が開始するのかを明らかにする目的でこの最後の実験を行なった。 この実験はまだ完成してないが、これまでの結果はGEP機能を失った変異体はDNA複製を開始する能力がなく、RCC1タンパクがGEP機能タンパクとしてDNA複製の開始に関与していることを示唆している。興味あることには、このタンパクの基質であるRanタンパクそのものでDNA複製が開始すことが示唆されている。もし、もう一年継続できればこの点が明らかになるであろう。 続きを見る
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