肝細胞増殖制御の分子機構

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肝細胞増殖制御の分子機構

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
責任表示:
中村 敏一(九州大学・理学部・教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1990
概要(最新報告):
平成2年度において主に、(1)HGF遺伝子の構造解析、(2)HGFレセプタ-の解析、(3)肝傷害に伴うHGFmRNA発現とHGF産生細胞の同定、(4)賢再生におけるHGFの役割、(5)HGFの新しい生物活性について検討した。 ヒトHGF遺伝子は、17個のイントロンを含む18エクソンからなり、全長70kbに及び、プラスミノ-ゲンなどの遺伝子と構造的に類似している。成熟ラット肝細胞膜には、HGFに対し高親和性を示す、分子量約230kDのレセプタ-が1個の細胞あたり500〜600個存在した。肝傷害に伴い、HGFレセプタ-の著しいdown regulationがみられ、in vivoにおいてHGFが肝再生因子として作用していることがうかがえる。HGFレセプタ-は肝臓の他、肺、賢臓、脾臓にも存在し、また種々の上皮系細胞で発現がみられた。薬剤投与による肝炎、部分肝切除、虚血、挫滅など、種々の肝傷害に伴い肝臓においてHGFmRNAの誘導がみられた。片賢摘出後、残余賢においてHGFmRNAの誘導、レセプタ-のdown regulationがみられ、GHFは賢再生因子としても機能していると考えられる。HGF産生細胞は、Kupffer細胞、血管内皮細胞、線維芽細胞など間葉系細胞であった。HGFは成熟肝細胞以外に、賢尿細管上皮細胞、表皮ケラチノサイト、メラノサイトなど多くの上皮系細胞の増殖を促進した。一方、細胞増殖以外に、いくつかの上皮系細胞のMigrationを著しく促進する活性をもち、さらにいくつかの癌細胞に対し、著しい増殖抑制活性をもつことが明らかになった。 以上の新しい研究成果から、(1)HGFは間葉系の細胞が産生し、広く上皮系細胞を標的としており、パラクリン機構あるいはエンドクリン機構で作用する分子であることが明らかになり、さらに、(2)HGFは肝傷害のみならず、賢臓をはじめ、他の多くの器官、組織の修復にも関与する分子であることが強く示唆された。 続きを見る
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