脳血管性痴呆の疫学と病態生理に関する研究

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脳血管性痴呆の疫学と病態生理に関する研究

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
タイトル(他言語):
Epidemiological and Physiological Study of Vascular Dementia in a General Population.
責任表示:
藤島 正敏(九州大学・医学部・教授)
FUJISHIMA Masatoshi(九州大学・医学部・教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1989-1990
概要(最新報告):
我々は既に慢性脳卒中患者についての検討から脳血流量が痴呆の程度と密接な関係をもつとの知見を得ていた.また,1985年に満65歳以上の久山町住民938名中887名に断面調査を実施し,柄澤らの臨床判定基準による痴呆の頻度は調査人口の6.7%に見られると報告してきた.本研究費が交付された期間には,第1には久山町住民を対象とする疫学的研究から,脳卒中発症頻度や危険因子に関する追跡研究を通じて得られた種々の補助診断検査や剖検成績を用いて痴呆の病型を可及的に明かにしつつ,脳血管性痴呆の有病率やその予後について調査し,一般住民中の痴呆の実態を明かにする事を試みた.第2には,痴呆出現前の脳血管障害例および痴呆を有する脳卒中例について脳血流量,脳代謝諸量を測定し,生理学的な面から脳血管性痴呆の病態生理の究明を試みた. 久山町痴呆例の追跡調査によりCTスキャンまたは剖検所見から病型を明かにし得た47例を検討し,脳血管性痴呆が55%を占めており,アルツハイマ-型老年痴呆の3倍の頻度にある事を見出した.この脳血管格痴呆例の予後調査により,脳血管性痴呆例の生命予後は非痴呆例に比べ明かに悪く,死因の第1は肺炎であった.久山町の剖検例貞生前,脳卒中の発作や局所神経症状を欠く"発症のない脳梗塞"を検討すると,その頻度は13%と多く,80歳以上の高齢者では20%の高頻度にみられた.緩徐に痴呆を発症し,CT検査で広範な白質病変を認めビンスワンガ-型梗塞性痴呆と診断した症例のポジトロンCTの検討から,CT上病変がみられた白質だけにとどまらず前頭・側頭・頭頂葉においても脳血流量(CBF),脳酸素代謝率(CMRO^2)の低下がみられ,本病型の知的機能低下には大脳皮質の代謝異常も関与していることが示唆された.今後,痴呆出現前の脳血管障害患者の脳血流・代謝を同一例について経時的に観察し,痴呆の発現に関与する病変の局在を含めた病態の検討が必要である. 続きを見る
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