求核置換反応の速度論的溶媒効果と立体化学

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求核置換反応の速度論的溶媒効果と立体化学

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
責任表示:
藤尾 瑞枝(九州大学・理学部・助手)
本文言語:
日本語
研究期間:
1989
概要(最新報告):
本研究の目的であるS_N1ソルボリシス機構とその立体化学の関係を明らかにするため、S_N1反応であり、かつ求核性の顕著な関与が見られる系と条件の設定を行なった。αーtーブチルベンジルトシレ-ト(I)のソルボリシスにおける置換基効果、溶媒効果の解析を行ない、完全にS_N1機構で進行し全領域にわたり求核関与は速度論に入らない事を見いだした。αーメチルベンジルトシレ-ト(II)のソルボリシスの溶媒効果では、mーハロゲンより電子求引性基質で、ほぼ完全なk_Cカルボカチオン性を持ち、且つ大きい求核寄与を示す事を見いだした。また、置換基効果解析で、エタノ-ルのように、低イオン化能で高い求核能を持つ溶媒中でmーCF_3より電子求引基で溶媒関与機構を示す加速が観測された。ベンジルトシレ-ト(III)ではS_N1からS_N2へ置換基により大幅な機構変動が見られ、低求核能のTFE、HFIP中でもmーハロゲンより電子求引基で溶媒の求核関与が見られた。以上の結果で、I系ではS_N1機構、II系では、溶媒、置換基によりイオン対中間体への求核攻撃が律速段階になり得る事が明らかになった。III系は、機構変動がS_N2型遷移状態の連続的移動により起こることを意味するが、無置換体のトシレ-トの^<18>Oースクランブル実験で明らかなイオン対復帰が観測され、カチオン性イオン対への脱離アニオント溶媒の競争機構を考える必要が出てきた。この三系の速度論的研究で、ソルボリシスにおける求核置換反応は全て中間体イオン対機構で、原系復帰と溶媒の求核攻撃のエネルギ-障壁の相対的大きさでS_N1ーS_N2機構変動を起こすと結論できる。現在、Iの^<13>Cー^<18>Oラベル体、IIIのpーCl、mーCl体を合成し、Oのスクランブリングからイオン対復帰の検出を試みている。また文献記載の方法で光学活性のIおよびIIーOTsおよびIIIーαーDーOTsを合成し、その立体化学をラセミ化速度の測定により検討を行なっている。 続きを見る
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