珪肺症をモデルとした環境要因に対する高感受性集団の分子生物学的解析

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珪肺症をモデルとした環境要因に対する高感受性集団の分子生物学的解析

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
責任表示:
笹月 健彦(九州大学・生体防御医学研究所・教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1988
概要(最新報告):
我々は遊離珪酸S_2O_2の長期暴露によって発症する珪肺症の患者を対象として、血清学的方法および分子遺伝学的方法を用いた遺伝標識の解析により、宿主の遺伝要因を解析している。昨年度までにHLA-Bw54-C4A3B5-DR4-DQw4が疾患感受性パフロタイプであり、HLA-Bw52-DR2-Dw12-DQw1が疾患抵抗性ハプロタイプであることを明らかにした。本年度は、HLA以外の免疫関連遺伝子である免疫グロブリン入鎖可変領域(IGLV)、T細胞レセプターの鎖(TCR&alpha;)およびβ鎖(TCRβ)のDNAプローブを用いた制限酵素DNA断片長多型(RFLP)解析により珪肺症の遺伝要因を検討した。HLAタイピングの完了した患者より46名を無作為に選び、その末梢血白血球よりDNAを抽出し、サザンハイブリダイゼーション法によるRFLP解析を行った。IGLVの多型を解析するためにV_4Aプローブおよび制限酵素BamH_1を用いた。この解析により5.3kbと3.3kbの2本のバンドが対立遺伝子として検出された。患者集団では3.3kb ホモ接合体が46名中19名(41%)と、健康対照127名中24名(19%)と比較して有為に(P<0.003)増加していた。ことに高ガンマグロブリン血症を合併した患者4名中3名がこのタイプであった。珪肺症にはしばしば高ガンマブロブリン血症の合併が認められるが、その遺伝要因としてIGLVあるいは、これと密に連鎖した遺伝子の関与が示唆された。TCRβのcDNAプローブおよび制限酵素TagIを用いたRFLP解析では、8.0kbと4.2kbの2本のバンドが対立遺伝子として検出されたが、その頻度は、患者と健康対照との間に差を認めなかった。同様にTCRβのcDNAプローブおよび制限酵素BglIIを用いたRFLP解析では、10kbと9.2kbの2本のバンドが対立遺伝子として検出されたが、患者との相関は認められなかった。したがって、珪肺症の遺伝要因としてHLA領域および免疫グロブリンλ鎖遺伝子領域の関与が明らかとなった。 続きを見る
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発がんと発がん防御の基礎的研究 by 笹月 健彦; SASAZUKI Takehiko
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