タンパク場に幽閉されたレチニリデンシッフ塩基が演じる異性化運動のモデル化

閲覧数: 3
ダウンロード数: 0
このエントリーをはてなブックマークに追加

タンパク場に幽閉されたレチニリデンシッフ塩基が演じる異性化運動のモデル化

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
責任表示:
小川 晴(九州大学・薬学部・助教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1988
概要(最新報告):
レチニリデンシッフ塩基を補欠分子にもつタンパク、バクテリオロドプシンは光エネルギーを膜を介するプロトンの濃度勾配のポテンシャルエネルギーに変換するエネルギー変換タンパクである。このタンパクの機能発現には以下の性質すなわち、レチニリデンシッフ塩基プロトン化体が可視光により光異性化したあとの緩和過程が一つの化学循環サイクルをつくり、これらの各サイクルの各段階に光、熱、プロトンがエフェクターとして働いて、ポリエン部の異性化、脱プロトン化が連結した高速反応としておこる点が重要である。この化学サイクルはタンパク内の静電モザイク構造によって特徴づけられた反応場と、個体結晶場におけるような高い空間充填をもつ反応場での異性化運動によって、高速遷移が可能になっている。本研究はバクテリオロドプシンの活性中心にあるレチニリデンシッフ塩基のモデルとして、二個のフラン環を内在させた14π環状共役系を合成し、中央に1個の>C=O基をおいた5個のSP^2炭素鎖の部分でバクテリオロドプシン類似の高速異性化が光、熱、およびプロトンによって発生させ、その変化をH-NMR UV-VISスペクトル変化で追跡した。この高速異性化反応の連続しておこる理由をモデル化環状共役系のX線構造解析によって分子論的に考察した(研究発表論文1)。さらに、この共役系を原型として、そのカルボニル基と分子内H結合可能な位置にOH基、SH基をもつ化合物を合成して分子内水素結合の与える効果をしらべた(研究発表2と3)。一方、バクテリオロドプシンの活性部位の化学修飾を行い、βΞノン環部をフリルピリル基に変えた人工バクテリオロドプシンは、プロトンポンプ活性を示し、かつその光異性化体の熱的緩和は天然のバクテリオロドプシンより約40倍加速されていることが判った。 続きを見る
本文を見る

類似資料: