各種組織における縞状被覆形質膜小胞の分布と性状に関する形態学的研究

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各種組織における縞状被覆形質膜小胞の分布と性状に関する形態学的研究

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
責任表示:
柴田 洋三郎(九州大学・医学部・教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1988
概要(最新報告):
1.ラット大動脈内皮細胞において先に同定した小型形質膜小胞の細胞質側膜表面に存在する経線状走行を示す縞状隆起構造について、ミオシン小片1(S-1)や、アクチン安定化剤ファロイジンによる処理後、その構造が極めて明瞭となり、アクチン線維に密接な関連を有する物質であることが示唆された。さらに金コロイド標識したS1によって結合した部位の分布を切片法で観察し、内皮細胞内のアクチン線維束以外に小型形質膜小胞の内葉細胞質側膜にも13〜15nmの間隔で金粒子の修飾する構造を認めた。しかしクラスリン被覆小胞には結合しなかった。 2.急速凍結ディープエッチレプリカ法により、同様の縞状被覆小胞の分布をラット・マウスの各種組織について検討した。心筋の毛細血管内皮細胞、妊娠ラット子宮平滑筋、子宮内膜間質細胞、大動脈外膜線維芽細胞、腓腹筋腱腱細胞などにおいて、大動脈内皮にみられるものと同様の縞状被覆構造が高頻度に観察された。しかし肝実質細胞、腎尿細管上皮細胞、膀胱移行上皮細胞などでは、明瞭な縞状被覆は認めることができず、S1修飾やファロイジン処理によってもさほど著明な変化はなかった。これらの組織ではクラスリン被覆小胞以外の形質膜小胞の表面に、時として不整な顆粒状物質の付着をみることがあった。 3.小型形質膜小胞を構成する膜構造分子は、細胞・組織種に特異的なものがあり組織分化系列に関連する可能性のあることが、本研究により強く示唆される。即ち典型的な縞状被覆構造は、非上皮系組織に限って出現し、上皮組織には認められない。この組織分布傾向は、我々が先に明らかにしたギャップ結合膜の細胞質側表面構造の組織特異性と類似し、また中間径線維やカドヘリンなどの細胞骨格や接着分子の組織分布傾とも共通点があり、これら細胞膜関連分子に共通の組織分化過程の存在を推測させる点で興味深く、今後さらに検討を加える必要があろう。 続きを見る
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