珪肺症とモデルとした環境要因に対する高感受性集団の分子生物学的解析

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珪肺症とモデルとした環境要因に対する高感受性集団の分子生物学的解析

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
責任表示:
笹月 健彦(九州大学・生体防御医学研究所・教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1987
概要(最新報告):
遊離珪酸SiO_2に長期にわたって曝露され, 重症の珪肺症を発症した集団をこの環境要因に対する高感受性集団とし, この集団の遺伝学的解析をさらに進めた. これまでにHLAタイピングの完了した珪肺症の患者集団より無作為に46名を選んで末梢血白血球よりDNAを抽出し, HLAあるいは補体第4成分(C4)遺伝子DNAをプローブとして制限酵素DNA断片長多型(Restriction Fragment Length Polymorphism:RFLP)解析を行なった. この対象集団においても前回と同様, 正常集団に比しHLA-Bw54, w59, DR4の増加とBw52, DR2の減少を認めた. HLA-クラスII領域は, DQαおよびDQβ遺伝子DNAをプローブにした場合のRFLPにより, AからJまで12種のハプロタイプに分けられるが, 患者集団では, Dw12DB7と相関するCハプロタイプが有意に減少し, Dw15, DKT2, DRw8に相関するDハプロタイプがやや増加傾向を示した. C4遺伝子をプローブにしたRFLP解析では, Bw54, Bw59に相関するハプロタイプである3, 5, 7ハプロタイプが, 急性増悪型で有意に増加し, 特に自己免疫疾患合併群で最も強い相関を示した. 自己免疫合併群に, HLAクラスIII領域の特定のタイプが有意に増加していることから, 発症後の合併症の発症に宿主の遺伝要因, 特にHLA-クラスIII領域の遺伝子が重要な役割を果たしていることが強く示唆された. 自己免疫疾患合併群の中では, 慢性関節リウマチ(RA)との合併が最も多く, 一般集団においても, RAとHLA-Bw54+DR4との強い相関が報告されていることから, 珪肺症患者集団においては遊離珪酸に曝露されることにより, RA発症が促進されることが示唆された. 以上のように, 発症後の予後あるいは合併症の発症率を患者のRPLP解析によりある程度予測することが可能であることが示された. 今後さらに症例数を増やすと共に, HLAの他の領域あるいは, 他の遺伝マーカーのDNAプローブを用いた詳細な遺伝要因の解析を進めてゆきたい. 続きを見る
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