蛋白合成阻害剤およびDNA合成阻害剤の併用による癌細胞に特異的な致死効果

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蛋白合成阻害剤およびDNA合成阻害剤の併用による癌細胞に特異的な致死効果

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
責任表示:
奥田 篤行(九大・生体防医研・助教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1986
概要(最新報告):
正常細胞の特性を有する3Y1細胞および癌細胞の特性を有する種々のトランスフォーム3Y1細胞の培養細胞系を用い、蛋白合成阻害剤の存在下で正常細胞は静止状熊に留め、癌細胞のみを細胞周期のS期に入れてDNA合成阻害剤で選択的に殺すことの可能性を調べた。 飽和細胞密度まで増殖して定常状熊(大部分はG1DNA含量を有する)にある3Y1細胞及びSV40トランスフォーム細胞(SV3Y1)を低細胞密度に播き直すと20時間後に、大部分の細胞はS期に入り、その後分裂し、増殖サイクルをまわる。この系において、培養液中に阻害剤を加えて、細胞の生在率を調べた。(1)SV3Y1は蛋白合成阻害剤シクロヘキシミド(CH)0.75μM存在下で増殖サイクルに入った。3Y1は増殖サイクルに入らなかった。(2)SV3Y1にDNA合成阻害剤アフィディコリン(AC)15μMを加えると24時間以内に生存率が1/10以下に落ちた。(3)3Y1は、AC15μMとCH0.75μMとを3日間同時に作用させても生存率は低下しなかった。これに対しSV3Y1は約1/100まで生存率が落ちた。(4)他のトランスフォーム3Y1細胞(ポリオーマウイルスあるいはラウス肉腫ウイルス感染によるもの、アデノウイルスE1Aあるいはv-Ha-ras遺伝子のトランスフェクションによるもの)でもCH単独、およびCHとACの同時投与でSV3Y1細胞と同様の挙動を示した。 以上の結果から蛋白合成阻害剤と細胞周期依存性の抗癌剤を同時投与することにより治療効果を上げる可能性が示唆される。今後生体内での定常状態の癌細胞を増殖サイクルに移行させる手段、蛋白合成阻害剤の生体に及ぼす悪影響を低下させる手段を検討する必要があると考える。またトランスフォーム細胞では蛋白合成の抑制による増殖制御がかかりにくいことは、癌細胞の本態の追求に指針を与える。 続きを見る
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