針葉樹における葉緑体の形成と光合成機能発現機構に関する研究

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針葉樹における葉緑体の形成と光合成機能発現機構に関する研究

フォーマット:
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
タイトル(他言語):
Structural and functional development of chloroplasts in coniferous seedlings
責任表示:
奥 達雄(九州大学・農学部・教授)
Oku Tatsuo(九州大学・農学部・教授)
本文言語:
日本語
研究期間:
1985-1987
概要(最新報告):
針葉樹の特徴の一つとして, 暗所でクロロフィル(Chl)a,bを生成し, 葉緑体(D-葉緑体とよぶ)を形成する. 本研究ではこの葉緑体の構造および光合成活性の性質を詳細に調べると共に, 光照射下における葉緑体の発遠過程を解析した. 暗所で生育したトウヒ子葉のD-葉緑体はよく発達したチラコイド膜(TK)の外にわずかなグラナを小さなプロラメラボディ(PLB)をもつ. このことはChl生合成の中間体プロトクロロフィリドとプロトクロロフィールの存在を示唆する. そこで先ず, 高速液体クロマトグラフィを用いて色素分析を行い, 微量のプロトクロロフィルの存在を認めた. さらにD-葉緑体からPLBを分画したのち, プロトクロロフィリドの存在と, この色素の光によるクロロフィリドへの転換を見出した. 次にD-葉緑体からTK画分を調整した. この画分は光合成の光化学系I, IIの電子伝達活性をもち, 水分解酵素が特異的に不活性化された状態にあり, 酸素発生能を欠くことを確認した. そこで, TKから光化学系IIを含む膜片を分離してその性質を調べたところ, 水分解に関与するすべてのポリペプチド(PP)を含むことを抗体を用いて認めた. 光照射すると, 30分以内に水分解酵素が光活性化されて, その後12時間まで酸素発生活性は変化しない. この期間内にPLB由来と思われるたんぱく質の消失以外にTK組成に変化は見られなかった. 12時間後, 光化学系IIの活性は増加しはじめ, 24時間で2倍に達した. しかし光化学系I活性, TK組成に顕著な変動はない. 2日後Chl・たんぱく質およびPP組成に著しい変化がおこった. 5種のPPが消失し, 4種のものが増加した. 特に集光性クロロフィルたんぱく質(LHCP)の著しい生成がみられた. 酸素発生活性は4倍に達する. 以上の成果から, 暗所におけるChl生合成の経路は明所でみられるものと本質的に同じである. チラコイド内の光合成単位のサイズは小さく, 光照射によってLHCPが蓄積してサイズは増大する. 同時にチラコイド膜からグラナが構築されて葉緑体形成が完成する. 裸子植物ではグラナ形成が律速となっている. 続きを見る
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