<学術雑誌論文>
アルツハイマー病の早期診断バイオマーカーを探る

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概要 高齢化の進む我が国では認知症患者が急増しており,2012年の患者総数は305万人(65 歳以上人口の9.9%)で,2025年には470万人(同12.8%)に達すると推測されている.認知症の中ではアルツハイマー病(Alzheimer's disease : AD)が約半数を占めており,ADの早期診断と治療法を開発することは喫緊の課題である.近年,認知症の前段階として軽度認知機能障害(mild cog...nitive impairment : MCI)が注目されている.MCIとは1)本人や家族から認知機能低下の訴えがある,2)認知機能は正常とはいえないが認知症の診断基準を満たさない,3)複雑な日常生活動作に最低限の障害はあっても基本的な日常生活機能は正常,の3つを満たす状態を指す.MCIの病因は多様であるが,サブタイプのひとつである健忘型MCIは高率(10-15%/年)にADに移行する.最近では,発症前AD(preclinical AD,脳にAD病変はあるが無症状の時期)という概念が提唱され,超早期診断の重要性が議論されている.この新たな概念が提唱された背景として,バイオマーカー研究の発展によりADの脳病理を推定可能になったことが挙げられる.バイオマーカーとは,生物学的過程,病理学的過程あるいは治療に対する薬理学的応答を表現する客観的指標のことであり,生化学バイオマーカー,遺伝子バイオマーカー,神経生理学的バイオマーカーなどが含まれる.臨床神経生理学分野では,種々の非侵襲的脳機能計測法を用いて,ADの神経生理学的バイオマーカーを探索している.本稿ではADの早期診断に有用と考えられる神経生理学的バイオマーカーについて,我々の成績も含め概説する.続きを見る

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登録日 2013.01.29
更新日 2021.07.28

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