注記 |
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RIR種雌雄を使用して,さらに体幹部を頸部と背および尾部の2部に,前肢部を腹部,前肢帯部,上腕部ならびに前腕部の4部に,後肢部を寛部,大腿部ならびに下腿部の3部に分けたとき,鶏体の左側において各部位筋肉重量を測定した.そのとき,各部位筋肉の成長を比較し,また雌雄間の相違についても検討を行なつた.その結果は次の通りであつた. 1. I期では,雌雄とも前肢帯部,上腕部ならびに前腕部の成長が極めて著しく,背および尾部は中間的な成長を示したが,その他の5部位はこれらの部位に比べ成長が劣つた. 2. II期では,雄で寛部,大腿部,下腿部ならびに背および尾部が他の諸部位より成長が著しく,雌ではこれらの部位と前肢帯部,上腕部,前腕部が入り混ざつて,成長の著しいものから寛部,背および尾部,前肢帯部,大腿部の順になつた.また雌雄とも頸部と腹部の成長は他の部位と比べ劣つた. 3. III期は性成熟完成期と一致し,雄で寛部,大腿部,下腿部ならびに背および尾部の成長が極めて著しく,また頸部と腹部の成長も著しく,雌では腹部だけが著しい成長をみせただけで,他の部位は22週齢とほとんど変らなかつた. 4. IV期は雄で32週齢の各部位筋肉重量は26週齢のそれと大差なくほとんど変化のなかつたことが示唆された. 5. 以上のような結果から,筋肉の成長に関し,各部位を次の4つのグループに区分した.第1グループ(前肢帯部,上腕部ならびに前腕部);I期に極めて著しい成長を示し,その後も成長が著しいが雄における性的影響を全く受けないグループ.第2グループ(背および尾部);I期において中間的な成長の速さを示し,その後も非常に良く成侵した部位.第3グループ,A(寛部,大腿部ならびに下腿部);I期では成長の速さが劣つたが,その後は著しく,特に雄でIII期に性的特異性を示し,非常に良く成長したグループ.第3グループ,B(頸部ならびに腹部);I期においてもその後においても常に成長が劣つたグループ.しかし,III期においては頸部は雄だけで,腹部は雌雄とも成長が著しかつた.
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