<博士論文>
重度慢性歯周炎におけるEMDOGEINを使用した歯周組織再生療法症例の検討

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論文調査委員
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概要 近年、組織破壊の進行した重度慢性歯周炎に対して様々な術法や新たな歯周組織再生治療が考案され臨床応用されている。それらにより従来ならば歯周治療が困難、又は抜歯適応と診断されてきた歯の治療が予知性をもって行うことが可能になっている。歯周組織再生材料であるEMDOGEIN?(EMD)は、多くの臨床研究によりその有効性と安全性について証明されている。第1章で垂直性骨欠損を有する広汎型重度慢性歯周炎患者に対...して、CBCTを用いた診査とEMDを使用した歯周組織再生療法を行った症例について報告し、第2章では重度慢性歯周炎患者にEMDを使用することにより、新生歯槽骨増加が認められた10症例について報告する。(第1章)患者は50歳男性、全身疾患を有さず喫煙歴はない。主訴は右側で噛めないことであった。初診時のプロービングポケットデプス(PPD)は平均4.9mmで4mm以上のPPD部位は82.7%であった。プラークコントロール、全顎的なスケーリング・ルートプレーニング、保存不可能な歯の抜歯などの歯周基本治療後、垂直性骨欠損部位である25と37に対してEMDを使用した歯周組織再生療法を行い、他の水平性骨欠損部位には歯肉剥離掻爬術を行った。歯周組織安定後に口腔機能回復治療を行い、メインテナンスに移行した。現在メインテナンス開始18カ月であるが、PPDは平均2.2mm、全顎的に3mm以下で、歯周組織は安定している。また術前・術後の診査にCBCTを用いた25近心側では、術後に骨の再生が確認でき、EMDの有効性や画像診断におけるCBCTの有効性が示唆された。(第2章)10症例は、PPD7mm以上で、1~3壁性の垂直性骨欠損や、50%以上の歯槽骨吸収(Boneloss)を有する重度慢性歯周炎罹患歯であった。対象患者は40~70歳の男女10名で重篤な全身疾患を有さず、喫煙歴はない。EMD使用部位の初診時のPPDは平均7.6mmで、Bonelossは平均70.2%であった。歯周基本治療を行い、歯周外科時にEMDを使用した歯周組織 再生療法を行った。歯周外科1年後の診査で、PPDは平均4.4mm減少、Bonelossは平均23.0%改善し、新生歯槽骨増加率は50.5%であった。この結果から、患歯に対して適切な診査・診断・治療を行い、EMDの特性を理解し使用することで、Bonelossが50%を越え従来ならば予後が思わしくないと推測される歯、又は抜歯適応と診断されてきた歯に対して、保存可能な対象歯が増える可能性が示唆された。続きを見る

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登録日 2013.07.10
更新日 2023.11.21

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