<学術雑誌論文>
全ゲノムを対象とした胃がん発症を規定する遺伝要因の探索

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概要 胃がん発症には複数の遺伝要因と環境要因の多段階にわたる相互作用が関与する.このような多因子疾患のゲノム解析としては,候補領域アプローチと候補遺伝子アプローチが可能であって,候補領域を特定するためには,家系を対象とした全ゲノム連鎖解析が必要となり,機能情報に基づいて選択された候補遺伝子の解析には,集団を対象とした相関検定を行う.本研究では,罹患同胞対(家系)および孤発症例(集団)を用い,連鎖解析およ...び相関検定によって,胃がん発症を規定する遺伝要因を探索した.胃がん罹患同胞対170組を収集し,全ゲノム連鎖解析によって,胃がん発症と連鎖する染色体領域を1p32,2q33-34,11p12-13および21q11-21に同定した.特に21q領域は日本人胃がんにおいてLOHを高頻度で認め,また,2q33-34領域は近位部発症グループにおいて高LOD値(3.61)を示しており,原因遺伝子多型が位置する可能性が高い.さらに21q11-21領域については,そこに位置する発現が明らかな70遺伝子に関して遺伝子領域内のSNPを相関検定し,Heatshockprotein関連遺伝子領域内に有意な差を示す複数のSNPを同定した.一方,候補遺伝子アブu一チとしては,がん遺伝子やがん抑制遺伝子,解毒酵素遺伝子,免疫関連遺伝子などの遺伝子多型と胃がん発症との関連が示唆されていることから,40遺伝子を選択し,遺伝子領域内に位置するSNPを遺伝マーカーとして用いた相関検定を行った.その結果,細胞内シグナル伝達に関わるある特定の遺伝子の多型が女性胃がん罹患者と相関することを見出した.準連続形質としての多因子疾患の閾値説から,閾値の高い性(胃がんの場合女性)においては,罹病に対しての遺伝要因の寄与が高い.よって女性胃がん罹患者において相関を認めたこの遺伝子多型は,胃がん発症を規定する遺伝要因の有力候補の一つと考えられる.続きを見る

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pdf fam96_1_p025 pdf 29.8 MB 333  

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登録日 2012.06.04
更新日 2021.07.28

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