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| 概要 |
NMDA受容体遺伝子がクローニングされた結果、この受容体は、ζサブユニットとεサブユニットとを含むheteromericな分子であり、かつ含まれるεサブユニットの種類により、NMDA受容体は脳内の部位や発生時期により、そのサブユニット構造が異なっていると考えられるようになった。しかし、シナプスにおいて実際に機能しているNMDA受容体の分子構造は明らかでなかった。最近、我々はノックアウトマウスを用い...て、海馬CA3錐体細胞上の2つのシナプスで、異なるεサブユニットを含むNMDA受容体が機能していることを旧い出した。このことは、εサブユニットが、細胞の極性ないしは入力線維の違いにより、単一細胞内でソーティングされていることを示唆している。このようなソーティングのメカニズムやその生理的意義の解明は、特異的なシナプス形成の機構や、多様なシナプス可塑性の発現と加齢に伴うその変化の解明、さらには部位特異的な効果をもつ中枢薬の開発などに重要な手がかりを与える可能性がある。続きを見る
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