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概要 |
症例は57 歳,女性.4年前に指摘された,24mm × 19mm の左側副腎偶発腫瘍の再評価目的で入院となった.MR 所見でも腺腫を示唆され,内分泌学的身体所見は認めなかった.内分泌学的検査では,コルチゾールは正常な日内リズムで,デキサメサゾン1 mg 抑制試験で十分な抑制を認めた.早朝ACTH値は正常で,CRH負荷試験においても正常な反応がみられた.レニンーアルドステロン系や副腎髄質ホルモンは正...常であり,以上から非機能性副腎腺腫と診断した.ところが131I-アドステロールシンチグラフィー検査では患側に陽性所見を認めた.この4年間において腫瘍のサイズを含めてこれらの検査所見に著変を認めていない.一般に131I-アドステロールシンチグラフィーの異常集積は機能性副腎腺腫の存在を示唆するが,最近ではプレクリニカルクッシング症候群においても同様の所見が得られることが報告されている.本症例において非機能性副腎腺腫と考えられた患側に陽性所見を得た原因として,131I-アドステロールシンチグラフィーの取り込みはコレステロールの摂取を示唆し,必ずしも正確なステロイド合成を示していない可能性や,正常副腎組織が腫瘍に圧排されて,131I-アドステロールの取り込みが亢進したように認識された可能性が推測されるが明らかではない.今回131I-アドステロールシンチグラフィーが陽性所見である非機能性副腎偶発腫瘍の一例を経験したが,131I-アドステロールシンチグラフィーの陽性所見の副腎偶発腫瘍はけっして稀ではなく,131I-アドステロールシンチグラフィーは副腎偶発腫瘍における微弱なステロイド合成を評価する一つの有用な検査であることが示唆された.続きを見る
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