<Doctoral Thesis>
Evaluation of a well-balanced lip position by Japanese orthodontic patients.

Creator
Examiner
Language
Academic Year Conferred
Conferring University
Degree
Degree Type
Publication Type
Access Rights
JaLC DOI
Abstract 目的 : 顔の審美性は、その顔貌を有する個人における個性の育成や社会的交流を円滑に行う上で、大きな影響を及ぼすといわれる。矯正治療を希望する患者の多くは審美性の改善を主訴に来院する。矯正治療により、上下顎前歯の前後的位置が変わることによって口唇の前後的位置が変化することを考慮すると、側貌におけるバランスのとれた好ましい口唇位を評価することは重要である。本研究は、①現代日本人のバランスのとれた好まし...い側貌を評価することを目的とし、矯正治療患者を対象としてアンケート調査を行い、好ましい側貌における口唇の前後的位置について評価すること、また、評価者の性別および年齢により好ましいとする口唇位に違いが認められるか検討することである。さらに、②好ましいと評価された口唇位を有する者の顎顔面硬組織形態を明らかにし、これまで治療目標として用いられてきた正常咬合を有する者の平均的側貌における硬組織標準値と比較検討することを目的とする。/資料および方法 : 九州大学歯学部学生で正常咬合(Angle Class Ⅰ)を有し、ANB=2?5°、叢生がほとんど認められず、矯正治療の経験のない者(22?26歳の男女各15名)の側面頭部X線規格写真より側貌における軟組織の特徴を示す計測部位(7角度計測、2線計測、1比率計測)の平均値を算出し、得られた平均値より平均的側貌シルエットを作製した。その男女別平均的側貌シルエットに対し上下口唇の位置をフランクフルト平面に垂直に1mmずつ前後に変化させ、平均的側貌を中心とする13側貌シルエット(-6 mm~+6 mm)を作製した。九州大学病院矯正歯科にて治療を行っている15歳以上の患者、男女計150名を対象に、男女別に好ましいと思われる側貌(連続する3側貌)を13側貌シルエットの中から選択してもらった。評価者の年齢区分を10歳代、20歳代、30歳以上に分類し評価を行った。さらに、九州大学病院矯正歯科にて保存する資料より、15歳以上30歳以下の患者の側面頭部X線規格写真を用い、矯正治療後に矯正治療患者が好ましいとする口唇位を有する女性41名を選出し、顎顔面硬組織形態の分析および評価を行った。/結果および考察 : 矯正治療患者は男女プロファイル共に、平均的プロファイルよりもやや口元が後退したプロファイルを好ましいとする傾向が認められ、女性プロファイルにおいてその傾向がより顕著であった。評価者の性別による評価結果の違いについては、男性プロファイルおよび女性プロファイルどちらにおいても好ましいとするプロファイルに有意差は認められなかったが、女性プロファイルの評価において、女性評価者の方が男性評価者よりも後退した口唇位を好ましいとする傾向が認められた。評価者の年齢区分別における評価では、男性プロファイルでは好ましいとするプロファイルに有意差は認められなかった。しかし、女性プロファイルにおいては、30歳以上の矯正治療患者が10歳代、20歳代の矯正治療患者と比較してさらに後退した口元のプロファイルを好ましいとした。これらの結果は、治療計画を立案する際、治療が始まる前に患者と十分にカウンセリングを行う必要があることを示唆している。患者の中には、平均的口唇位を有するプロファイルや矯正歯科医が魅力的と評価するプロファイルよりも、患者自身が好ましいとする口元を期待して矯正治療に望んでいる者がいることも推察される。また、矯正治療患者が好ましいとする側貌を有する女性の顎顔面形態は、平均値と比較して大きなFacial angleおよび小さなSNB angleを有し、上下顎前歯が顕著に舌側傾斜しており、オトガイが明瞭な特徴を有すると考えられる。矯正治療患者が好ましいとする側貌を有する女性の顎顔面硬組織形態の特徴からも標準値のみを治療目標として設定するのではなく、機能的な咬合を考慮した上での審美的な治療目標の設定に対しても十分考慮する必要があることが示唆された。show more

Hide fulltext details.

pdf dent_491 pdf 1.01 MB 7,754  

Details

Record ID
Peer-Reviewed
Report Number
Number of Diploma
Granted Date
Date Accepted
Faculty
Created Date 2013.07.10
Modified Date 2023.11.21