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Abstract |
口腔乾燥症の患者では唾液の減少により、様々な口腔粘膜疾患および歯性疾患が生じるが、原因として口腔内微生物叢の変化が考えられる。 口腔粘膜疾患では口腔カンジダ症が多い。その原因菌である Candida 菌の検出に関する報告は散見されるが、口腔カンジダ症と Candida 菌種との関連についての報告は少ない。そこで本研究ではまず第1に、口腔乾燥症患者における口腔カンジダ症と Candida 菌種との関...連をみるために、唾液分泌量と Candida菌数との関係、さらには発症部位と Candida 菌種との関係を検討した。また、歯性疾患である齲蝕や歯周疾患が増加することも多い。原因菌としてはStreptococcus mutans、Lactobacillus、Actinomyces などが挙げられるが、口腔乾燥症患者の口腔内細菌叢の解析についてはいまだに報告が少ない。そこで本研究では第2に、口腔乾燥症患者における口腔内細菌叢の解析を行った。 以下に本研究で得られた結果をまとめた。 1. 口腔内真菌叢の検討 口腔乾燥症患者では口腔カンジダ症が高頻度で発症しており、検出されたCandida 菌数および菌種が健常者と比較すると多かった。次に唾液分泌量とCandida 菌数の相関を検討すると、唾液分泌量が減少すると Candida 菌数が増加するという傾向がみられた。さらに、口腔カンジダ症の重症度を発症範囲で分類し、その重症度と唾液分泌量および Candida 菌数との関連を検討すると、口腔カンジダ症が重症化した場合に唾液分泌量が減少し、重症化した症例ではCandida 菌が増加するという傾向がみられた。また、全ての患者から C.albicansが検出されたが、non-C.albicans は口腔カンジダ症が重症化した場合にその検出頻度が高くなった。口腔カンジダ症の病変局所に存在する Candida 菌種の同定を行うと、舌粘膜からは C.albicans、口角部からは C.glabrata、頬粘膜からは C.krusei が高頻度に同定された。 2. 口腔内細菌叢の検討 口腔乾燥症患者では残存歯数が有意に減少し、齲蝕処置歯は有意に増加し、また義歯の装着率が高かった。口腔内細菌叢の検討を行うと、口腔乾燥症患者では、Rothia 属や Actinomyces 属が含まれている分子量 51955 M の末端 DNA 断片と、Selenomonas 属や Veillonella 属などが含まれている分子量 66826 M の末端 DNA 断片のピーク面積の割合が有意に高かった。本研究の結果から、口腔乾燥症患者においては、唾液の減少により口腔内微生物叢が変化し、種々の口腔疾患が惹起されている可能性が示唆された。特に、口腔乾燥症患者の口腔カンジダ症においては、病変の部位で増加するCandida菌種が異なっている可能性が示唆された。show more
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Table of Contents |
要旨 緒言 材料と方法 結果 1.臨床症状の検討 2.口腔内真菌叢の解析 3.口腔カンジダ症の重症度と唾液分泌量およびCandida菌数との関連 4.口腔カンジダ症の重症度とCandida菌種との関連 5.病変局所に存在するCandida菌種の同定 6.口腔内細菌叢に関する検討 考察 謝辞 参考文献
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